
転倒・腰痛などの行動災害防止をテーマに、現場で実践しやすい対策を解説
2026年5月、滋賀労働局にて、第三次産業の企業を対象としたオンライン講習に登壇しました。
今回の講習では、職場で発生しやすい転倒災害や腰痛などの「行動災害」をテーマに、災害が起こる要因を整理し、現場で取り組みやすい対策についてお伝えしました。
当日は、約30社の企業にオンラインでご参加いただきました。講習後のアンケートでは3名の方からご回答をいただき、講習内容の理解度や現場での活用意向について確認することができました。十分なアンケートご案内時間が取れなかったにも関わらず、ご回答いただいた企業様ありがとうございました。
回答数は限られていますが、参加者の皆さまが、転倒・腰痛対策を「個人の注意」だけでなく、「職場全体で取り組む課題」として捉えていただけたことがうかがえる結果となりました。
講習の主な内容
今回の講習では、第三次産業の現場でも起こりやすい転倒・腰痛リスクについて、次のような内容を取り上げました。
- 転倒災害が発生する4つの要因
安全衛生管理要因、外的要因、行動要因、内的要因 - 靴底、ながら歩き、ポケットハンドなどの行動面のリスク
- バランス能力、筋力、注意力など身体機能と転倒の関係
- 危険箇所の確認、注意喚起表示、4S活動などの職場対策
- 腰痛対策における4つの要因
動作要因、環境要因、個人要因、心理社会的要因 - 作業動作、作業環境、身体機能、職場の仕組みを組み合わせた予防の考え方
転倒や腰痛は、単に「本人の不注意」や「年齢の問題」だけで起こるものではありません。
床面や段差、靴、作業動線、荷物の持ち方、急ぎ行動、ながら歩き、筋力やバランス能力、職場の声掛けや教育体制など、複数の要因が重なって発生します。
そのため、行動災害防止では、個人への注意喚起だけでなく、職場の環境、作業方法、身体機能、管理体制を組み合わせて考えることが重要です。
アンケート結果
講習後のアンケートでは、5段階評価でご回答いただきました。
全12項目の平均点は、5点満点中4.83点でした。
特に、以下の項目では、すべての回答者が5点を選択しました。
- 転倒災害の4つの要因について理解できた
- 転倒災害が起こりうる危険場面の具体例をイメージできた
- 靴底、ながら歩き、ポケットハンドなどの行動面の危険についてイメージできた
- バランス能力、筋力、注意力など身体機能と転倒の関係を理解できた
- 腰痛対策の4つの要因について理解できた
- 腰痛対策では、作業動作、作業環境、個人の身体機能、職場の仕組みを組み合わせて評価・判断することが重要だと理解できた
また、次の項目についても平均4.67点と高い評価をいただきました。
- 講習内容は分かりやすかった
- 現場実態に合った内容だと感じた
- 行動災害防止は、職場全体の課題だと理解できた
- 講習時間の設定は適切だった
- 同僚や部下への声掛けや指導内容を見直そうと思った
- 転倒対策は、人と状況の組み合わせで考える必要があると理解できた
回答数が3名であるため、結果を一般化することはできませんが、講習内容については、理解しやすく、現場での取り組みに結びつきやすい内容として受け止めていただけたものと考えています。
現場で取り組めそうな対策
アンケートの回答から、参加者の皆さまが、講習内容を単なる知識としてではなく、実際の職場で取り組める対策として具体的にイメージされていたことが分かります。
特に、危険箇所のリストアップ、注意喚起表示、靴底チェック、4S活動などは、比較的すぐに取り組みやすい対策です。
一方で、体力評価や就業前体操、従業員向けセミナーなどは、転倒災害防止を一時的な注意喚起で終わらせず、継続的な健康づくりや職場全体の行動変容につなげる取り組みとして重要です。
参加者の声
講習で印象に残った点として、次のようなご意見をいただきました。
- 転倒リスクについて理解が深まった
- 転倒の4大要因が印象に残った
- 閉眼での片足立ちが印象に残った
また、今後の要望として、体力チェックや腰痛防止体操など、実技を中心としたセミナーを希望する声もありました。
オンライン講習では、転倒や腰痛の要因を整理し、職場での危険場面を共有することができます。一方で、身体機能の確認や体操の実践については、実技を含めた研修形式がより効果的な場合もあります。
今後は、座学と実技を組み合わせた研修や、職場ごとの課題に合わせたプログラムの必要性も感じられる結果となりました。
第三次産業における行動災害防止の重要性
転倒や腰痛などの行動災害は、製造業や建設業だけでなく、小売業、介護、医療、清掃、運輸、飲食、事務職など、第三次産業の幅広い職場で発生します。
第三次産業では、職場環境や作業内容が多様であり、同じ対策を一律に当てはめるだけでは十分でない場合があります。
たとえば、同じ転倒災害であっても、原因は職場によって異なります。
- 床面の濡れや段差
- 出入り口付近のマット
- 荷物を持った移動
- 急ぎ行動
- 歩きスマホや書類確認
- ポケットに手を入れた歩行
- 筋力やバランス能力の低下
- 注意力の低下
- 職場内の声掛け不足
このように、転倒災害は「環境」「行動」「身体機能」「管理体制」が重なって発生します。
そのため、効果的な対策を行うためには、現場の実態を確認し、どこにリスクがあるのか、どの対策から始めるべきかを整理することが重要です。
PROWELLの行動災害防止支援
PROWELLでは、転倒災害防止、腰痛予防、高年齢労働者の安全対策について、企業・事業所向けの研修や現場支援を行っています。
単に知識を伝えるだけでなく、職場の実態に合わせて、次のような視点から対策を整理します。
- どの場所で転倒リスクが高いのか
- どの作業動作に腰痛リスクがあるのか
- 作業環境や動線に問題がないか
- 靴や床面、段差などの外的要因はどうか
- 従業員の身体機能や体力面に課題がないか
- 声掛けや教育、ルールづくりが現場で機能しているか
- 無理なく継続できる対策になっているか
行動災害防止では、「気をつけましょう」という注意喚起だけでは限界があります。
職場ごとの危険場面を見える化し、従業員が理解しやすく、管理者が判断しやすい形に整理することで、実際の対策につながりやすくなります。
PROWELLでは、必要に応じて、現場状況、対象動作、優先順位などの整理や判断支援にも対応しています。
このような企業・事業所におすすめです
次のようなお悩みがある企業・事業所では、転倒・腰痛などの行動災害防止対策を見直すことをおすすめします。
- 転倒災害が発生している、またはヒヤリハットがある
- 高年齢労働者が増えてきている
- 腰痛による欠勤や作業制限がある
- 注意喚起はしているが、現場で行動が変わりにくい
- 体操や健康づくりを始めたいが、何から始めればよいか分からない
- 管理職やリーダー向けに、行動災害防止の考え方を共有したい
- 現場の危険箇所や作業負担を整理したい
- 労働災害防止と健康経営をつなげて考えたい
転倒・腰痛対策は、単発の講習だけで完結するものではありません。
現場の状況を確認し、優先順位を決め、できることから継続して取り組むことが大切です。
まとめ
今回、滋賀労働局で実施された第三次産業向けオンライン講習では、約30社の企業にご参加いただきました。
アンケート回答数は3名と限られていましたが、5段階評価の平均は4.83点と高く、転倒災害や腰痛対策に関する理解、現場での活用意向が確認できました。
特に、転倒の4大要因、危険場面の具体例、靴底やながら歩きなどの行動面のリスク、身体機能と転倒の関係について、高い理解が得られたことが分かりました。
転倒や腰痛などの行動災害を防ぐためには、個人の注意だけに頼るのではなく、職場全体でリスクを整理し、環境、行動、身体機能、管理体制を組み合わせて対策を進めることが重要です。
PROWELLでは、今後も、企業の現場実態に合わせた分かりやすい研修と、実践につながる行動災害防止支援を行ってまいります。
転倒災害防止、腰痛予防、高年齢労働者の安全対策に関する研修・現場支援をご検討の企業さまは、お気軽にご相談ください。
