
職場の腰痛対策:業務上疾病で最も多い「腰痛」と重量制限
業務上疾病で最も多いのは「腰痛」
業務上疾病の中で、圧倒的に多いのが腰痛です。
4日以上の休業を伴う業務上疾病の約6割が腰痛を占めています。
腰痛は「重量物作業のある業種」だけの問題ではない
建設業・製造業・運送業は重量物を扱う機会が多い業種です。
しかし、腰痛はこれら以外の業種でも多く発生していることが分かっています。
業種を問わず腰痛対策を実施することが重要です。
重量物を扱う職場・扱わない職場、必要な対策はそれぞれ
重量物を常に扱う職場では
- 作業マニュアルの作成
- 作業教育の実施
- 健康診断(腰痛健診)の実施
が必要です。
事務作業中心の職場でも注意が必要
座っている姿勢は、立っている姿勢より腰椎椎間板の内圧が約1.5倍かかるというデータがあります。
また、仙腸関節の慢性障害により、座っていられなくなる方もいて、一般のオフィスでも腰痛に関する知識と対策は不可欠です。
法令で定められている「重量制限(義務)」があります
① 年少者(18歳未満)の重量制限【義務】
18歳未満の労働者がいる場合、以下の制限を必ず守る必要があります。
実務では断続作業と継続作業の区別が難しいため、
安全側を考え、断続作業の数値を基準に制限することが望ましいと考えられます。
おおまかな実務上の重量制限
- 18歳未満の男性:20kg未満
- 18歳未満の女性:15kg未満
(詳細な法定基準は省きます。)
② 女性労働基準規則(18歳以上の女性)【義務】
18歳以上の女性に適用されます(年少則より緩い基準)。
- 断続作業:30kg未満
- 継続作業:20kg未満
実務上は、女性は20kg未満を上限と理解すると分かりやすいです。
通達による重量制限【努力義務】
職場における腰痛予防対策指針(平成25年)
理解しやすい目安で、筆者はこちらを記憶しています。
- 男性:体重の40%以下
- 女性:男性基準の60%(=体重の約24%以下)
※妊娠中および産後1年は重量物作業は禁止
産業医が推奨する「実務上の安全な重量」は?
成人男性:体重の40%以下 かつ 25kg未満
成人女性:体重の24%以下 かつ 20kg未満
腰痛対策は「4つの柱」で考える
- 作業環境管理
- 作業管理
- 健康管理
- 教育(労働衛生教育)
作業台の高さを調整したり、重量物を分割して軽くするのが最も最初に取組むべきところです。
また、一連続作業時間の調整や休憩、小休止、配置換え、アシストスーツ着用、職場内での筋トレの仕組みづくり、休憩室のレイアウトの工夫、定期的な筋力や体組成のチェックがとても重要です。
FAQ
Q. 腰痛対策は製造業だけで必要ですか?
A. いいえ。事務所や小売業でも段ボール運搬や長時間座位により腰痛は発生します。
Q. 重量制限は法律で決まっていますか?
A. 年少者・女性は法令上の義務があります。成人男性は通達による指針があります。
関連記事
- 転倒災害防止の記事
- 腰痛予防セミナー案内
- 復職支援RTW
