
職場の腰痛対策|理学療法士が解説
導入
職場の腰痛は、多くの企業で発生している労働災害の一つです。
製造業、医療、介護、物流などでは、作業姿勢や持ち上げ動作などによって腰部への負担が大きくなります。
重要なのは、腰痛対策を体操や注意喚起だけで行うのではなく、作業そのものの負担を評価することです。
理学療法の視点では、腰痛のリスクは主に次の3つの要因から整理できます。
- 作業姿勢
- 作業距離
- 作業時間
これらを評価することで、腰痛につながる身体負担を整理することができます。
職場の腰痛の主な原因
職場で発生する腰痛は、多くの場合、次のような要因が関係します。
前屈姿勢
体幹を前に曲げる姿勢は、腰部への負担が大きくなります。
研究では、体幹前屈が増えるほど脊柱起立筋の活動が増加することが示されています。
特に次のような作業では注意が必要です。
- 前屈して行う組立作業
- ベッド上ケア
- ピッキング作業
作業距離
作業対象が身体から離れるほど、腰部モーメントは増加します。
腰部モーメントは次の式で表されます。
腰部モーメント
= 荷重 × 距離
つまり、同じ重量でも、身体から遠い位置で持つほど腰部への負担が増えます。
持続姿勢と反復動作
作業時間も腰痛リスクに大きく影響します。
作業姿勢評価法であるRULAでは、
- 同じ姿勢を 1分以上保持
- 動作が 毎分4回以上反復
する場合、筋負担が増加すると評価されます。
このため、長時間の同一姿勢や反復動作が続く作業では、作業方法の見直しが重要になります。
腰痛対策の基本
職場の腰痛対策では、次の3つの視点が重要です。
1 作業高さを調整する
作業台の高さが低すぎると、前屈姿勢が増えます。
作業高さを調整することで、体幹前屈を減らすことができます。
2 作業対象を身体に近づける
作業対象との距離が長くなるほど腰部負担は増加します。
次の改善が有効です。
- 作業対象の配置変更
- 作業台の奥行き調整
- 作業姿勢の改善
3 作業時間を分散する
持続姿勢や反復動作が続く作業では、
- 作業の分割
- 作業交替
- 休憩
などの対策が必要になります。
職場の腰痛対策は「評価」が重要
多くの職場では、腰痛対策としてストレッチや体操が行われています。
しかし、腰痛の多くは
作業そのものの身体負担
によって発生します。
そのため、
- 作業姿勢
- 作業距離
- 作業時間
を評価し、作業改善につなげることが重要です。
まとめ
職場の腰痛対策では、次の3つを整理することが重要です。
- 作業姿勢
- 作業距離
- 作業時間
これらを評価し、現場で実行可能な改善を行うことで、腰痛リスクを低減することができます。
参考文献
McAtamney & Corlett
Rapid Upper Limb Assessment (RULA)
Chen et al., 2024
Trunk flexion and lumbar muscle activity
Kee, 2023
Observational ergonomic assessment methods
職場の腰痛対策についてご相談ください
職場の腰痛は、ストレッチや体操だけでは十分に改善しないことがあります。
作業姿勢・作業距離・作業時間など、作業そのものの身体負担を整理することが重要です。
PROWELLでは、理学療法士が職場の身体リスクを評価し、現場で実行可能な作業改善を提案しています。
次のようなお悩みがある企業様は、お気軽にご相談ください。
- 職場で腰痛を訴える従業員が増えている
- 作業姿勢や作業方法を見直したい
- 高齢労働者の作業負担が心配
- エイジフリー補助金の活用を検討している
現場の作業内容を確認し、身体負担の要因を整理します。
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